楽天の防災グッズランキングは、いま上位20位のうち10個が簡易トイレです。ただ「50回分」「100回分」の数字だけ見ると、必要な量を読み違えます。1回あたりに直して並べ直しました。
水が止まったとき、最初に困るのはトイレでした
防災の備えというと、まず水と食料を思い浮かべます。うちも最初はそうでした。保存水を箱で買って、アルファ米を戸棚の上に積んで、それで一通り済ませた気になっていた。
でも実際に断水した人の話を読むと、詰まるのはたいていトイレのほうです。食事は1食抜いても何とかなりますが、トイレは待てません。しかも集合住宅だと、排水管の点検が済むまで水を流してはいけない、というケースがあります。水が出ていても使えない、という状況が起こりうるわけです。
楽天市場の防災関連グッズランキングを見ると、いま上位20位のうち10個が簡易トイレでした。1位から5位に4つ、20位までに10個。ここまで偏っているジャンルは珍しいです。ただ、並んでいる商品は「50回分」「100回分」と回数の表示がばらばらで、価格も1,000円台から8,000円台まである。そのままでは比べられません。この記事では7点を1回あたりの金額に直して、何が価格差になっているのかを見ていきます。
先に、この記事が向いていない人
ここで扱うのは、既存の便器やポータブル便座にかぶせて使う袋と凝固剤のセットです。組み立て式の便座本体や、カセット式トイレは比較に入れていません。
災害用の15年保存タイプは、日常的に使う前提の価格設定ではありません。毎日となると1回18円でも月に2,700円かかる計算なので、介護用の消耗品として売られているものを見たほうが合うはずです。
今回選んだのは家に置く備蓄向けで、箱のサイズも家に置く前提です。車載や登山用のコンパクトなものは、また別の選び方になります。
選ぶときに見る3つ
1. 何回分いるのかを先に計算する
ここを飛ばすと、安いか高いかの判断ができません。トイレの回数は個人差がありますが、1日5回として計算すると、1人3日で15回、1週間で35回。4人家族なら3日で60回、1週間で140回になります。備蓄の目安としてよく挙げられるのは3日分、できれば1週間分です。つまり4人家族が1週間ぶんを持とうとすると、140回分。「100回分」のセットでも足りない計算になります。この数字を出してから商品を見ると、選択肢がかなり絞れます。
2. 1回あたりいくらか
セットの値段では比べられません。今回の7点は1回あたり約18円から約87円まで、4.8倍の開きがありました。4人家族の1週間ぶん140回で計算すると、18円なら約2,520円、87円なら約12,180円。差額は9,000円を超えます。ただし後述するとおり、高いほうには袋や消臭の作りが違うという理由があるので、単純に安いほうが得とは言い切れません。
3. 何が入っているか(袋・紙・手袋)
同じ「50回分」でも中身が違います。凝固剤と袋だけのものもあれば、トイレットペーパー50個と処理袋、手袋まで入っているものもある。凝固剤の量も1回あたり10g・11.5g・12gと差があります。それから、使い終わった袋をまとめて捨てるまでの数日間、家の中に置いておくことになるので、防臭をどこまで作り込んでいるかは価格差の理由になりやすいところです。
7商品の比較表
価格は2026年9月9日時点の楽天市場ランキング掲載価格(変動あり・クーポン別)です。1回あたりは最小構成の回数で割った概算で、送料は含みません。「〜」がついているものは選ぶセットによって価格が変わります。セット内容は各商品ページの記載に基づきます。
| 商品 | タイプ | 価格 | 1回あたり | 回数・セット内容 | 凝固剤 | 保存期間 |
|---|---|---|---|---|---|---|
![]() 簡易トイレ 非常用トイレセット 50回+10回分RONE_SHOP |
袋+凝固剤/最安 | 1,080円〜 | 約18円 | 60回分(50+10)・袋60枚 | 1回500mL吸収/約30秒 | 15年 |
![]() Qbit 超強力消臭 簡易トイレ 50回分防災用品・非常用トイレのQbit |
消臭重視/小容量から | 1,349円〜 | 約27円 | 50回分・処理袋50枚・処理液50包 | 11.5g/約30秒以内 | 15年 |
![]() 簡易トイレ 非常用トイレ 60回/120回PYKES PEAK Direct |
回数を選べる/日本製 | 2,280円〜 | 約38円 | 60回・W26.6×H21.8×D8.5cm | 商品ページ記載なし | 15年 |
![]() EXCITECH 簡易トイレ 60回/120回セットいいねONLINE公式 楽天市場店 |
付属品が多い/便座リング付 | 2,990円 | 約50円 | 60回・処理袋72枚・便座マット2・便座リング1 | 12g/2L対応 | 15年 |
![]() 防災士共同開発 簡易トイレ 50回/100回セット防災グッズ防災セット防災のミカタ |
紙・手袋込みのフルセット | 3,582円〜 | 約72円 | 50回・紙50個・処理袋5枚・手袋2枚 | 商品ページ記載なし | 15年 |
| 大容量100回/日本製 | 6,980円 | 約70円 | 100回分・袋100枚・箱34.8×18.2×15.4cm | ハイドロゲル凝固剤 | 商品ページ記載なし | |
![]() BOS 非常用トイレ 100回分BOS-SHOP |
防臭袋/最上位価格 | 8,690円 | 約87円 | 100回分・処理袋 大65×80cm×5枚/小1枚 | 約10g×100個 | 15年 |
価格は2026-09-09時点の楽天市場での参考価格です。商品名をタップすると販売ページに移動します。
商品ごとのレビュー

簡易トイレ 非常用トイレセット 50回+10回分
今回並べたなかで1回あたりがいちばん安い1本です。60回分(50回+10回)で1,080円から、1回あたり約18円。袋は0.03mm厚のポリエチレン、凝固剤は1回500mLを約30秒で固める設計と説明されています。防災士監修、15年保存。4人家族の3日ぶん60回がちょうど1セットで収まる回数です。
- 良い点
- 1回あたり約18円は、7点中で2番目に安いものと比べても9円安い。4人家族の1週間ぶん140回で計算すると約2,520円で、いちばん高い商品の5分の1以下に収まります。60回という数はきりが良く、3日ぶんの単位で買い足す計画が立てやすいところです。
- 気になる点
- セット内容は袋と凝固剤が中心で、トイレットペーパーや手袋は入っていません。別で用意する必要があります。価格が「1,080円〜」と幅で表示されているので、選ぶセットによって1回あたりは変わります。安いぶん、防臭の作り込みは上位価格帯の商品ほどではないと考えるのが自然です。
- 向いている人
- まず必要回数を確保したい人。紙や手袋は家にあるもので賄える家庭。

Qbit 超強力消臭 簡易トイレ 50回分
50回分で1,349円から、1回あたり約27円。凝固剤11.5g×50包に加えて、トイレ処理液が50包つくのがこの商品の構成です。約30秒以内で固まるという表記。100回分のケースもあり、消臭と除菌をうたっています。介護用途にも触れられているので、災害用に限らない作りではあります。
- 良い点
- 1回あたり約27円で、処理液までセットに入っています。凝固剤11.5gは今回の中では多い側で、水分量が多いときの余裕につながる想定です。50回分から選べるので、まず1箱試してから買い足す、という進め方がしやすい価格帯です。
- 気になる点
- 50回分だと4人家族では3日もちません。2箱、3箱と買い足す前提になるので、置き場所を先に決めておく必要があります。消臭の効き方は使う環境(気温、置き場所、まとめて捨てるまでの日数)で変わるので、表示だけで判断しきれない部分は残ります。
- 向いている人
- においを気にする集合住宅。まず少量から備蓄を始めたい人。

簡易トイレ 非常用トイレ 60回/120回
60回と120回から選べるタイプで、60回版が2,280円から。1回あたり約38円です。60回版の箱はW26.6×H21.8×D8.5cm、120回版は奥行が19.5cmになります。日本製、15年保存。箱のサイズが明記されているので、置き場所を先に測って決められるのがこの商品の分かりやすいところです。
- 良い点
- 60回版の箱は奥行8.5cmと薄く、クローゼットの隙間や本棚の脇に差し込めます。120回にしても奥行19.5cmなので、押入れの一段には収まる想定です。回数を2択で選べるため、家族の人数に合わせやすい。
- 気になる点
- 1回あたり約38円は最安の2倍以上。4人家族1週間ぶん140回だと、約5,320円と約2,520円で2,800円の差になります。凝固剤の量や凝固時間は商品ページで確認できませんでした。価格が「2,280円〜」と幅表示で、セットによって1回あたりが変わります。
- 向いている人
- 置き場所の寸法が決まっている家庭。60回か120回かをはっきり決めたい人。

EXCITECH 簡易トイレ 60回/120回セット
60回分で2,990円、1回あたり約50円。凝固剤60個に対して処理袋が72枚、さらに消臭袋4個、フリーザーバッグ60枚、便座用マット2個、便座リング1個が入る構成です。凝固剤は1回12gで、2L容量の便座に対応と説明されています。袋が回数より多いのは、破れたときや二重にしたいときの余裕として考えられます。
- 良い点
- 処理袋が72枚と回数(60回)より12枚多いので、失敗しても足りなくなりません。便座リングが入っているため、既存の便器が使えない状況でも受けを作れます。凝固剤12gは今回の中で最も多い表記です。
- 気になる点
- 1回あたり約50円は最安の2.8倍。付属品を使わない人にとっては、そのぶんが上乗せになります。箱の中身が多いぶん、収納で場所を取ることになります。フリーザーバッグや便座マットは家にあるもので代用できる場合もあるので、必要かどうかは先に考えたほうがいいと思います。
- 向いている人
- 既存の便器が使えなくなる状況まで想定したい人。付属品を個別に買い集めるのが面倒な人。

防災士共同開発 簡易トイレ 50回/100回セット
50回セットで3,582円から、1回あたり約72円。凝固剤50個に、トイレットペーパー50個、処理袋5枚、手袋2枚が付きます。100回セットは凝固剤100個・紙100個・処理袋10枚・手袋4枚。日本製で、防災士共同開発と表記されています。トイレットペーパーが回数ぶん入っているのは、今回の7点では珍しい構成です。
- 良い点
- トイレットペーパーが回数ぶん同梱されるので、断水時に紙の残量を気にせずに済みます。手袋も付くため、処理のときに手を汚さない前提で組まれています。備蓄品を1か所にまとめておきたい人には、箱ひとつで完結するのが利点です。
- 気になる点
- 1回あたり約72円は最安の4倍です。紙も手袋も家に十分あるなら、その差額は重複になります。トイレットペーパーが入るぶん箱がかさばるので、置き場所は先に確保しておく必要があります。凝固剤の量や凝固時間の数値は商品ページで確認できませんでした。
- 向いている人
- 備蓄を1箱にまとめたい人。紙のストックを別に管理したくない家庭。

トイレの女神 PREMIUM 非常用簡易トイレ 100回分
100回分で6,980円、1回あたり約70円。ハイドロゲルの凝固剤を使った日本製で、抗菌をうたっています。箱は34.8×18.2×15.4cm。100回分がこのサイズに収まるのは、今回並べたなかでは密度が高い部類です。4人家族なら5日ぶん、2人なら10日ぶんに相当する回数になります。
- 良い点
- 100回分がひと箱で揃うので、買い足しの管理が要りません。箱が34.8×18.2×15.4cmと明記されているため、置き場所を測って決められます。回数の多さのわりに、1回あたりは同じ100回分のものより17円安い位置です。
- 気になる点
- 1回あたり約70円は、最安の約3.9倍。6,980円という金額は、備蓄をこれから始める段階では踏み出しにくい額かもしれません。保存年数が商品ページで確認できませんでした。15年保存と明記している他社品と並べるなら、ここは購入前に確認したいところです。
- 向いている人
- 一度にまとめて備えたい家庭。買い足しの管理を減らしたい人。

BOS 非常用トイレ 100回分
100回分で8,690円、1回あたり約87円。今回でいちばん高い1本です。凝固剤は1個約10gが100個、これに加えて処理袋が大(65×80cm)5枚と小(35×50cm)1枚。防臭と防菌の機能を持つ袋を使う点が、この商品の価格の中身になっています。保存期間は15年。
- 良い点
- 袋の防臭性能に振った構成で、使用後の袋を家の中に数日置くことになる状況を想定した作りです。集合住宅でゴミ出しの日まで室内保管せざるを得ないケースでは、この差が生活の質に直結します。処理袋が大65×80cmと大きく、まとめて封をしやすいサイズです。
- 気になる点
- 1回あたり約87円は最安の4.8倍。4人家族1週間ぶん140回だと約12,180円で、最安との差は9,600円を超えます。凝固剤は1個約10gで、11.5gや12gの商品より少ない表記です。においが気にならない環境(戸建てで屋外に置ける、など)だと、価格差の理由が薄くなります。
- 向いている人
- 集合住宅で、使用後の袋を室内に置かざるを得ない人。においを最優先する家庭。
使い方別に選ぶなら
4人家族の3日ぶん60回をとにかく揃えたい
60回分で1回あたり約18円。3日ぶんがちょうど1セットに収まります。紙と手袋は別で用意する前提なので、家のストックを確認してから。まず回数を満たしてから質を上げる、という順番は現実的だと思います。
60回分を見る →マンションで、ゴミ出しの日まで室内に置く
袋の防臭に振った構成で1回あたり約87円。最安との差は140回で9,600円ほどになりますが、数日ぶんの袋を玄関や浴室に置くことを考えると、ここに払う理由は分かりやすいです。
BOS非常用トイレを見る →クローゼットの隙間にしまいたい
60回版は奥行8.5cm。薄いので棚の脇や衣装ケースの上に差し込めます。120回にしても奥行19.5cm。寸法が先に決まっている家では、この情報が判断材料になります。
60回/120回を見る →紙も手袋も、まとめて備えておきたい
トイレットペーパーが回数ぶん、手袋も同梱で1回あたり約72円。紙の在庫を別管理したくないなら、この重複ぶんは手間を買っていると考えられます。かさばる点だけ先に見ておくといいです。
紙・手袋込みセットを見る →買い足しの管理をしたくない
100回分がひと箱、1回あたり約70円。4人家族なら約5日ぶんです。同じ100回分でも1回あたりは17円安く、箱のサイズも明記されています。保存年数だけ商品ページで確認してから。
100回分を見る →50回分から始めて、様子を見て買い足す
1回あたり約27円で、処理液つき。50回だと4人家族では3日もたないので、あくまで最初の1箱という位置づけです。凝固剤11.5gは多い側で、余裕を見たい人には向きます。
50回分を見る →まとめ
7点を1回あたりに直して並べると、約18円から約87円まで4.8倍の開きがありました。ただ、この差は品質の差というより、何を同梱しているかの差です。紙と手袋が入れば約72円になり、防臭に振った袋を使えば約87円になる。袋と凝固剤だけなら約18円で済む。買う前に、その付属品が自分に必要かどうかを決めておくと、迷いが減ります。
順番としては、まず必要回数を計算する。1日5回として、人数×日数×5。4人家族の1週間なら140回です。次に、置ける場所の寸法を測る。そのうえで、においをどこまで気にする環境かを考える。この3つが決まると、7点のうち候補は2つくらいまで絞れます。回数を先に出さないと、100回分でも足りないことに気づけません。
うちは集合住宅なので、使い終わった袋をゴミの日まで室内に置くことになります。そう考えると、全部を最安で揃えるより、回数の大半は安いもので確保して、におい対策の効いた袋を少し混ぜておくほうが現実的かもしれない、と思っています。1種類で全部を賄おうとしなくてもいい話ではあります。
価格は2026年9月9日時点のものです。楽天市場はクーポンやセールで動きますし、「〜」表示の商品は選ぶセットで1回あたりが変わります。購入前に商品ページで回数と内容を確認してください。保存年数の記載がない商品は、そこも合わせて確認しておくと安心です。